上図は、相居飛車の力戦型からの進展で△5六歩と打った局面。ソフトの評価値+669で先手有利。
後手の横歩取らせに先手が横歩を取らずに▲5八玉としたため、激しい展開となりました。
この戦形は事前に研究していたのですが、相手の方もほとんどノータイムで指してこられたので少し驚きました。
あまり見ない形に誘導したつもりだったのですが、相手の方も知っているのか決断がよく気がついたらこちらの方が時間を使っていました。
1年位前の大会でも別の相手の方に全く違う将棋の見慣れない形に誘導したつもりだったのですが、相手の方も知っていたようでほとんどノータイムでこられたこともありました。
大会に参加される方は、日頃から将棋に接していると改めて思いました。
実戦は△5六歩以下▲8一飛成△5七歩成▲同玉△6九飛▲4四馬△5一歩▲9九馬△4九飛成で、ソフトの評価値+487で先手有利。

この手順の△5六歩は先手が▲5八玉型なのでありそうな手で、▲同歩なら安全なのですが利かされと思い▲8一飛成と踏み込みました。
この戦形は玉が薄くても踏み込んで指さないといけないみたいな感覚だったので、3段玉になって危険でも▲8一飛成と攻め合いの形を優先しました。
△5七歩成▲同玉△6九飛は▲4四馬とすると開き王手で9九の馬が抜かれるので指さないのかと思っていましたが、踏み込んで指されてこれも驚きました。
▲4四馬をうっかりでなく読み筋だったようで、△5一歩と底歩で打てる形がしっかりしているとの判断のようです。
以下▲9九馬△4九飛成でひと段落で先手の手番になりましたが、先手有利といえバランスがとれていたようです。
この局面が先手の手番なのと9九の馬が攻防に利いているのでなんとかなるかと思っていましたが、先手玉が薄く4九に龍がいるのでまだ大変みたいです。
対局中は▲8一飛成と踏み込んで指す1手だと思っていたのですが、▲8一飛成はソフトの候補手にも上がっていませんでした。
▲8一飛成では先手に2通りの有力な手がありました。
1つは△5六歩に▲2三桂です。
▲2三桂△2二金▲8一飛成△5一香▲1一桂成△5七歩成▲同玉△6九飛▲4八玉で、ソフトの評価値+424で先手有利。
この手順は▲2三桂と打つ手でよくある安い駒で相手の守り駒の金を攻める手です。
桂馬と金の交換は金の方が得することが多いので△2二金としますが、▲8一飛成に△5一香と香車で先受けするのが興味深いです。
△5七歩成~△5一歩もありそうですが、後からでも歩を使えるように△5一香としています。
先手の▲1一桂成は香車を補充する手ですが、そっぽに桂馬が成るので感覚的に少し指しにくいところはあります。
しかし香車を補充するのはそれなりに価値が高いようです。
後手の△5七歩成~△6九飛は狙い筋ですが、▲4八玉として4九の金を守る受け方で先手が少し指せているようです。
もう1つは△5六歩に▲6一馬です。
△5六歩に▲6一馬△5七歩成▲同玉△5一歩で、ソフトの評価値+533で先手有利。

この手順の▲6一馬は5二の金を目標にする手ですが、あまり見えていませんでした。
▲6一馬なら▲6一銀の方がいいのかと思っていましたが、△5一金と引かれると銀の活用が少し難しいようです。
5二に歩が打てるなら攻めが継続できるのですが、この瞬間は2歩になるので打てません。
よって▲6一馬で5二金を狙う形に△5七歩成~△5一歩と辛抱します。
△5一歩では△5一香として次に△6二金の開き王手みたいな狙いの手もありますが、▲4八玉と早逃げされると5二の金を守る5一の香車が負担になりそうです。
△5一歩以下▲4八玉△6九飛▲5三歩△同銀▲4五桂△8九飛成▲同飛成△同馬▲5三桂成△5六桂▲3八玉△5三金▲6二銀で、ソフトの評価値+829で先手優勢。
この手順は先手は3段玉では危険なので▲4八玉と引いて辛抱します。
▲5八玉だと△5四香のような筋があるので4筋への早逃げです。
△6九飛は▲4八玉ととがめた手ですが、▲5三歩~▲4五桂が攻めの継続手です。
後手も△8九飛成と桂馬を入手してから△5六桂と迫る形で▲3八玉と逃げますが、まだ後手の持ち駒に金駒が少ないので先手玉に即詰みはありません。
最後の▲6二銀で次に▲5一馬の狙いで先手が指せているようです。
4筋への玉の早逃げが参考になった1局でした。

















